PCIサウンド/オーディオカード 動作実績表


 この動作実績表は、あくまで私の使用環境での結果だけを載せています。動作検証を行った本体は、基本的には私のメインマシンであるPC- 9821Rv20/N20ですが、一部検証のためだけに組んだ環境もあり、Ra18/N20他の本体であることもあり得ます。
 また、GameTheaterXP以降に検証したボードについては、CHANPON ZERO3-PCI上のPCIスロットに装着した場合のみを検証しています。(該当するのはENVY24、ENVY24HT、CS4630を搭載したボー ド) 従って動作可否が「×」となっているProdigy192であっても、本体スロット上に装着すれば正常動作する可能性は高いと思われます。

 なお、後半部分の音質に対するコメントについては、5.1ch等の多チャンネル再生を一切考慮しない、2chステレオでのみ評価を行っていることを予め 注意しておきます。

製品名
メーカー名
コントローラ
動作可否
備考
DMX 6Fire 24/96
Terratec
ICEnsemble ICE1712(ENVY24)

Win98SE及びWindows2000。CHANPON ZERO3上で正常動作。ドライバはWDM。
DSP24 Value
STAudio(Hoontech)
ICEnsemble ICE1712(ENVY24)

VXDドライバ使用。Windows98SEでは正常動作。Windows95では出力は正常だが、コン トロール用アプリケーションが起動しない。
Prodigy192
Audiotrak(EGOSYS)
VIA/ICEnsemble VT1724(ENVY24HT)
×
Windows2000+CHANPON ZERO3上ではドライバ組み込みに失敗。その他環境は未検証。
Aureon7.1 Space
Terratec
VIA/ICEnsemble VT1724(ENVY24HT)

未検証。
MAYA
Audiotrak(EGOSYS)
HiNT(形式不明)

Windows2000では正常動作。Windows98SEではドライバ組み込みは正常だが、音が一瞬 で消えてしまう。
MAYA7.1
Audiotrak(EGOSYS)
HiNT(形式不明)

Windows2000では正常動作。Windows98SEではドライバは組み込めるが機能しない。
GameTheaterXP
Hercules
Crystal SoundFusion CS4630

Windows98SE・Windows2000+WDMドライバで動作確認。
SantaCruz
Turtle Beach
Crystal SoundFusion CS4630

Windows98SE+VXDドライバで確認。
MontegoII Plus
Turtle Beach
Aureal Vortex2(AU8830)

Windows95+VXDドライバ、Windows2000+WDM(Microsoftリファレン ス)ドライバで確認。
Montego
Turtle Beach
Aureal Vortex(AU8820B2)

Windows95+VXDドライバ、Windows2000+WDM(Microsoftリファレン ス)ドライバで確認。
SoundBlaster Live!(OEM)
Creative
Creative EMU10K1

Windows95・98SE+VXDドライバで確認
Monster Sound MX400
Diamond Multimedia
ESS Canyon3D

聴きたくないので(ぉ、未検証。
SV550
Addonics
YAMAHA YMF724E-V

Windows95+VXDドライバで確認。
S817
DCS
YAMAHA YMF724E-V

Windows95+VXDドライバで確認。
AcousticEdge(PSC706)
Philips(Labway)
Philips Thunderbird Avenger

Windows2000では正常動作。Windows98SEでは VXD・WDM共にインストール時ハングアップ。再起動後も機能しない。
AV710
CHAINTECH
VIA/ICEnsemble VT1721(ENVY24HT-S)
Windows98SEで確認。
GINA24
Echo Digital Audio
XILINX SPARTAN XCS30XL
借り物につき未チェック
Revolution7.1
M-AUDIO
VIA/ICEnsemble VT1724(ENVY24HT)
実験用本体不調のため後日検証予定
DELTA 66
M-AUDIO
ICEnsemble ICE1712(ENVY24)

Windows98SE+VXDドライバで確認。CHANPON ZERO上に装着した場合は、システム動作がやや不安定。
SW1000XG
YAMAHA
YAMAHA YSS228E-F

Windows98SE+VXDドライバ(DirectXサポートβ) で確認。Windows2000/XPでは付属のXG Worksが動作しないため、ドライバはあるものの、デバイスコントロールが出来ない。
WaveTerminal 192M
ESI
VIA/ICEnsemble VT1724(ENVY24HT)

Windows98SE+E-WDMドライバで確認。
WaveTerminal U2A ESI XILINX SPARTAN
XCS30XL
Windows 2000+OS標準USBオーディオデバイスドライバで確認

 動作結果については上記の表に書いた通りですが、サウンド/オーディオボードは単に動作するだけでは意味がありません。PC-9821シリーズの殆どの 機種にはPCM音源が搭載されていますから、その内蔵音源を上回る音質を持っているか、或いはCPU負荷が軽くなるなどの付加価値が必要となります。ここでは音質面での特徴などについて、簡単に解説しておきます。なお、上記表の製品名をクリックすると、その製品のレビューにジャンプします。


Terratec DMX 6Fire 24/96

 今回取り上げたサウンドカードの中では、割合高額な部類の製品。PCIボード側はシンプルな構成だが、多機能な5インチベイ内蔵型ブレイクアウトBOXを持つ。特筆す べきはブレイクアウトBOXのPhono入力だが、これを活用できるユーザーは少ないのではないかと思う。かくいう私自身もレコードの再生環境は持っているが、実際の録音ではDAT等に一度録音してからPCに取り込んでいるため、この端子を使ったことは無い。
 高額なだけあって、サウンドカードとしては音質的な実力はなかなか高い。レンジも広く、空間表現も十分に出来ている。音質傾向は明るめだが、ヴォーカルの雰囲気も損なわない。ただし、オーディオI/Fに分類される製品と同列で評価するのは少々酷だ。オーディオI/Fと比べてしまうと一音ごとの粒立ちや輪郭の表現、質感や厚みという要素で越えがたい壁が存在している。
 苦言を呈するとすれば、PCIボードと5インチベイ用拡張BOXとの接続にUltraATA/66対応以前のIDEケーブルと同等の40Pフラットケーブルを用いるためか、ケーブルをHDDの近くに通すと明らかにシーク時にノイズが飛び込むこと。同じ接続方式であっても、ケーブルのシールドがしっかりしていれば、ノイズはもっと抑えることが出来たはずである。



STAudio(Hoontech)  DSP24 Value

 上記DMX 6Fire 24/96と同様にICEnsemble ENVY24を採用した、エントリークラスのオーディオカード。グレード的にはオーディオI/Fというよりはハイクラスのサウンドカードと捉えるのが正しい。こちらはPCIボードとDigital I/Oブラケットから構成される、標準的な部類の製品。音質の傾向は当然ながらDMX 6Fire 24/96と近いが、こちらのほうが低域の量感がやや上回る(馬力感はやや落ちる)が、代わりに中高域のクリアさがやや失われる傾向がある。とはいえこの 辺の差はごくわずかであり、どちらも通常のサウンドカードのクオリティよりは上である。M-Audio DELTAシリーズと共にWindows95/98用VXDドライバが存在する貴重な ENVY24搭載製品でもあり、その存在意義は大きいといえるだろう。



Audiotrak Prodigy192

 ENVY24の(仕様的には)上位にあたる、ENVY24HTを採用した新世代ハイエンドサウンドカード。7.1ch再生のサポートなど、DVDの高品 位再生を目指した製品と捉えて良いだろう。
 実は個人的にはENVY24HTには発売前からかなりの期待をしていたため、この製品は発売直後早々に入手した。残念ながら閉鎖されてしまった、PC関 連の販売店「USER'S SIDE」のレビューページ「USER'S FACTORY」でもこの製品は絶賛されており、当時から使っていたDSP24 Value以上の音質を期待してPCに取り付けたものである。
 ところが、まずRv20+CHANPON ZERO-3上では動作せず、急遽PC/AT互換機でテストを行ったのだが、音質がどうも期待したほどのレベルではないのだ。確かに SoundBlaster Live!などとは比較にならないクオリティは持っている。高域の透明度はDSP24 ValueやDMX6Fire以上と言っても良い。だが、全体的に硬質かつ細身の安っぽさが感じられるのだ。これはコントローラENVY24HTではな く、カードの設計(特にアナログ回路)に起因するものだろう。



Terratec Aureon7.1 Space

 この製品のDigital I/O部のみを変更した製品が、Audiotrak Prodigy7.1として販売されており、基本的にこの二つはまったく同等の音質を持つと考えられる。仕様的には前述のProdigy192とほぼ同等 であり、実売価格で数千円安いこのモデル(或いはProdigy7.1)はコストパフォーマンスに優れるということができるだろう。下位には出力ch数が 削減されただけのAureon 5.1 Skyもあり、多ch再生に興味がない人はこちらを選ぶべきだろう。なお、私が購入したものは昨年時点で欧州向けに出荷されたバージョンであり、日本に正式に輸入されたものよりは古いものである。
 音質傾向はやはりProdigy192とよく似ている。こちらのほうがいくらか中低域の豊かさを感じるが、全体的に硬質で細身な印象は変わらない。この 製品を筆頭にProdigy192、M-AUDIO Revolution7.1などは、そのデジタル的な性能に対して製品単価を安くしすぎたのではないか、という印象がある。確かに現状でも SoundBlasterシリーズを凌ぐクオリティは十分に持っているが、アナログ回路にもう少しコストを割いていれば音質ははるかに向上していたはず だ。
 このクラス(ハイエンドサウンドカードorエントリーレベルのオーディオカード)の製品を買うのは元々がSoundBlaster系統で飽き足らなくなった、ある意味マニア層であるはずだ。中途半端なコストダウンよりも音質追求を優先したほうが、むしろアピール度は高まるのではないかと思う。



Audiotrak MAYA

 既に製造を完了しているが、オーディオカードとしては画期的な低価格を実現した製品。低価格である以上、ハイクラスのサウンドカードとの比較が妥当な製品だ。どういう訳かEGOSYSではコントローラの詳細を全く公表してく れないが、デバイスIDなどの情報からHiNT製と見て間違いなさそうだ。RCAピンによるアナログ入出力、標準プラグのMIC入力、TOSLINKの光出力を持つ。音質の方は発売時期を考えれば価格以上の価値を持つものだ。DMX 6Fireのような空間表現に長けたものではないが、全域にわたって引き締まった力強い音質が魅力だ。同時期に上位ブランドESIから販売されていた、 USB音源のWaveterminal U2Aも同傾向の音質(こちらの方がより低音が力強い)を持つことから、当時のEGOSYSのメーカー全体の方向性 なのだろう。



Audiotrak MAYA7.1

 これもコントローラの詳細は公表されていないが、PCIデバイスの情報として取得されるベンダIDから、前述のMAYAと同様、HiNT Corpの製品と思われる。先代のMAYAはシンプルな2ch入出力のエントリークラスオーディオカードであったが、MAYA7.1その型番が示す通り 7.1ch再生に対応したサウンドカードと呼ぶべき製品である。いずれもサンプリング周波数は48KHzが上限となる。
 2ch再生のみで使う分には、MAYA7.1の音質は標準価格で当時1万円未満の製品としては悪くはない。しかし、価格的に約5000円高かった先代のMAYAと比べると、やはりレベルダウンしているという感は否めない。MAYAの方は2ch再生に注力した製品であった分、再生時の音質は良かったのだが、こちらは多機能化かつ低価格化された影響か、先代の持ち味であった力強さが消え、中高域の表現力にも劣る。一言で言うと先代との比較では安っぽさがつきまとう、ということだ。
 キャプチャカードと組み合わせると不具合があったり、ACPIモードでのスタンバイからの復帰時に問題があるなど、安定度に難があるという報告もあり、広くお薦めできるという製品ではない。今となっては7.1chに対応していながらサンプリング周波数の上限が48KHzではメリットも半減だ。価格や発売時期から考えれば納得できる音質は持っているといえるのだが。



Hercules(Guillemot) GameTheater XP

 Crystal(CirrusLogic)製SoundFusion CS4630を搭載するハイエンドサウンドカード。当初は5.1ch出力対応製品であったが、マイナーチェンジを経て6.1ch、7.1chに対応するよ うになった。
 この製品の特徴は、USBハブ機能まで持った、豪勢な造りのブレイクアウトボックスである。このボックスと本体のPCIカードの間は曲げるのも難しいと いうほどの太いケーブルで結ばれる。DMX 6Fire 24/96でもこれくらいしっかりとしたケーブルを使ってほしかった。
 音質的にはまずノイズの少なさが良い。Crystalのコントローラ全般の特徴である線の細い音はどうしても健在だが、それでも他の CS4630搭載製品よりはいくらかマシだ。アナログ部で損をしているENVY24HT搭載製品群とは対極にあると言って良いのではないか。但し、この製 品とProdigy192とで比較した場合、純粋に高音質なのはやはりProdigy192であることもまた否定しようはない。CS4630の限界であるのか、繊細である割には表現が薄っぺらい感じが拭えず、どこか大味であるという奇妙な音質を持つ製品である。



TurtleBeach SANTA CRUZ

 上記GameTheaterXPと同様、CS4630を搭載する高品位サウンドカード。こちらはカード上に必要なコネクタをすべて配置した、オーソドックスなサウンドカードという製品だ。この製品のユニークな点は、端子のひとつが「VersaJack」と呼ばれるものとなっていて、ドライバ側で入力/出 力やDigital/Analogを自由に切り替えられるところだろう。
 音質の方は典型的なCrystalトーン。細身で透明度が高く、低音の力強さに欠ける。同じCS4630を搭載するGameTheaterXPと比較しても、低域に厚みや力強さが無い。ノイズ感でもやや劣る。
 TurtleBeachの製品ということで、CS4630搭載製品の中でも最高レベルの価格で取引されている本製品だが、単純な音質という点ではその価値に疑問を持たざるを得ない(付属のアプリケーションに価値を見出すことはできることを断っておく)。SoundBlasterシリーズに投資するよりは良いのだろうが。



TurtleBeach MontegoII Plus

 今は亡きAureal製AU8830(Vortex2)を搭載するハイエンドサウンドカード。添付品の違いでMontegoII HomeStudioやMontegoII Quadzilla!というバリエーションモデルが存在するが、サウンドカード本体はすべて同一だ。このMontegoII PlusはAurealリファレンスデザインに沿ったサウンドカード+TurtleBeachオリジナルDigital I/Oブラケットで構成される。
 音質自体は繊細さにはやや欠けるが、陽性で低音の力強さもある。個人的にはCrystalトーンよりはこちらのほうがずっと好きだ。少なくともライブ音源などを聴いていて楽しいのはこちらの方である。
 この製品の泣き所は、Windows2000/XPをサポートしたドライバが存在しないこと。サウンドカード自体はWindows標準のWDMドライバで動作するのだが、Digital I/Oブラケットは使えなくなってしまう。事実上Windows9x/NT4.0専用と割り切るべきなのだろう。



TurtleBeach Montego

 上記MontegoIIの前身にあたるが、こちらはOEM供給された製品で、ごく普通のAU8820B2(Vortex)カードである。
 音質傾向はMontegoIIと同様。陽性で力強いが繊細さにはやや欠ける。ドライバがWindows9x/NT4.0止まりなのも同様だ。
私が使っている二台のRv20のうち、Windows9x用の方でDSP24Value投入まで長らく使われていたのは、この製品だった。



Creative SoundBlaster Live!

 Windowsの世界で標準のサウンドカードといえばSoundBlaster。そのかつての主力モデルがこの製品だった。
この製品からはPCI専用となり(先代のAWE64まではISAが主力だった)、従来比では大きな進歩を遂げている。まず特筆すべきなのは、初めて「オー ディオ的に良い/悪い」を語れる次元となったことだ。それまでのSoundBlasterはオーディオ的な評価をする以前のレベルでしかなかった。(ゲー ムの効果音がとりあえず鳴っていればそれで良いという次元の音質)
 とはいえ、良くなったというのはあくまでAWE64比。他社の製品と比べると悲惨とも言えるレベルなのは変わらない。一応音質的な評価をしておくと、まずは異常なローブースト。確かに効果音の迫力は増すが、音楽を楽しむには厳しい。そして中高域には全体的にこもりが感じられる。透明度はほとんど感じられ ない。ノイズは多い、というところである。
 音質的にはまったく評価する点が無いこの製品だが美点もある。なんと言ってもデファクトスタンダードであり、ゲームなどで不具合を感じることはまず無い。さらにCPU負荷の低さはCreative製品共通であり、根本的にマシンパワーで劣るPC-98シリーズではそう悪くはない選択であるといえるのかもしれない。



DiamondMultimedia MonsterSound MX400

 DiamondMultimedia最後のサウンドカード。ESS Canyon3Dを搭載する。元々MX200までのこのシリーズは同社独自のコントローラを採用、先代MX300ではAureal Vortex2を搭載し、(ドライバの出来は別にして)ある程度音質に定評があったシリーズだった。ところがMX400では元来音質的に評判が悪いESS 製コントローラを採用したこともあり、シリーズ中最低の音質を誇ることになってしまう。SoundBlaster Live!以上の透明度の低さとレンジの狭さである。私はこのカードの音質評価はDSP24Value・MAYA7.1と同時に行ったが、その二枚とは比 較にならないほど次元が低い。実は音質評価終了後は二度と触っておらず、PC-9821での動作実験などする気も起こらない。



Addonics SV550

 YAMAHA YMF724E-Vを搭載した低価格サウンドカード。私が初めて使ったPCIサウンドカードでもある。当時新品で\2000程度で買えた製品であった。単純な音質という点ではさすがに厳しいが、それでも価格を考えると決して悪いレベルではない。少なくともSoundBlaster Live!を買うよりははるかに良い選択であった。XGフォーマット対応とあってMIDI再生時の音色数も豊富であり、とりあえず挿しておくには面白い製 品である。ただ、SoundBlaster Live!よりはCPU負荷が大きい。



DCS S817

 SV550と同様、YAMAHA YMF724E-Vを搭載したサウンドカード。このDCS S817は不具合の多さとアナログ部の設計の悪さから、中古ショップでの買い取りも同一チップ採用の製品に対して減額されるという有様だった。
 が、実際に再生してみると一般に言われているほど悪くは無い。少なくともSoundBlaster Live!よりは特性的にフラットではないかと思う。ノイズはやはり多めだが、新品で\2000未満という製品に求める要素ではないだろう。



Philips Acoustic Edge PSC-706

 現時点ではPhilipsブランドのサウンドカードとしてはトップモデルとなる製品。コントローラには幻に終わったONKYO SE-100PCIで採用される予定だった、自社製のThunderbird Avengerを搭載する。ちなみにボードの生産はLabway(X-Waveシリーズでおなじみ)が担当しているようだ。音質の方はかなり独特な傾向を持つ。低域方向はたっぷりとした余裕を感じさせるのだが、その割に中高域は音が痩せ、ヴォーカルのサ行の音もきつさを伴うのだ。ソースによる得手・不得手がはっきりしそうな製品である。出来ればPCIスロットに余裕があり、複数のカードを並行して使うようなユーザーが使った方が良い製品だ。これ一枚で全てをまかなうのはお奨めしかねる。



CHAINTECH AV710

 外箱には何故か「C-Media ENVY24HT-S」という怪しげな記述があるが、幸いなことに実物にはVIA/ICEnsembleの刻印が認められた(笑)。アナログ部の部品はい かにも安物だが、実売価格で\3480という格安カードで、7.1ch対応となればそれもやむを得ないだろう。音質の方は3000円台の製品としては十分 納得がいくレベルだが、これをENVY24 Familyの音質といわれてしまうと辛い。実売価格的にはCMI8738-MX 6ch辺りと競合する製品であり、その辺りの製品との比較で善し悪しを語るべきものである。現時点で3000円前後クラスとしては優秀な音質を持つが、 それ以上の価格帯の製品との実力差は覚悟して購入するべきだ。


Echo Digital Audio GINA24

 EchoのPCIオーディオインターフェースとしては中堅クラスとなる製品。とはいえ、新品で普通に買ったら6万円クラスの製品なのだから、世間的に見 れば十分高級品である。この製品についてはKameさんからお借りした個体をテストしたので、その時点では私自身は所有していなかった。後日かなり安くなった中古品を入手したのだが。
 この製品はPCIボード側にはオーディオ用端子を一切持たず、ブレイクアウトBOXへの出力コネクタだけが存在していて、ここからなかなかしっかりと シールドされたケーブルで、BOX側へと繋がる。
 コントローラ部にはXILINX SPARTAN(XCS30XL)を採用。このSPARTANは高級製品で良く採用されているチップであり、私の手持ちではEGOSYSのUSB音源であ るWaveTerminal U2Aに搭載されている。
 さて、肝心の音質傾向だが、どちらかと言えばパワー型か。とはいえ、MAYAのように空間表現が苦手という訳ではない。ベースラインの躍動感には素晴ら しいものがあり、高域のキレも良い。中高域あたりに少々ピークが出来ているような印象を受けるが、ヴォーカルのサ行も自然に出てくれる。 WaveTerminal U2Aの音質に少し空間表現力を上乗せしたような印象だ。現用のemagic emi2|6(USB音源)との比較では、パワー感や切れ味でGINA24が勝り、空間表現力でemi2|6が勝るというところか。ベースやドラムの質感をとるなら GINA24、弦楽器の質感重視ならemi2|6を選択というのが適切なところだろう。いずれの製品も決して安価な製品ではないが、1〜2万円クラスとの差は明らかだ。


M-AUDIO Revolution7.1

 海外では$99という安さを売りに登場した製品だが、日本に正規輸入されると約\15,000程度になってしまい、価格的なインパクトはやや薄れる。既 に紹介しているProdigy192やAureon7.1 Spaceと同じくENVY24HTを搭載する、ハイクラスのサウンドカードだ。機能的には丁度Aureon7.1 Spaceと同等といって良いだろう。
 さて、音質の方だが、基本的にはAureon7.1に近い。低域の締まりはAureon7.1 Spaceよりやや上か。いずれにしても一万円強の実売価格の製品として、十分なレベルは保っている。実はこの製品の試聴はGINA24、A26、 Aureon7.1 Spaceと同時に行ったのだが、より上位クラスの二製品と比較してしまうとやはりレベルダウンは否めない。このクラスの製品では表現する空間に立体感が 感じられないのだ。また、分解能の違いは歴然としていて、上位クラスの製品では楽器の音が一つずつ分離して表現されるのだが、このクラスでは何か一纏めに されて出てくるという印象だ。ベースラインの躍動感も大きく劣る。
 但し誤解の無いように断っておくが、それでもSoundBlaster Audigy2 NXなど、その他のこのクラス以下の製品と比較すれば、音楽の表現には遙かに長けている。GameTheaterXPとの比較でもこちらの方が単純に高音 質だ。M/Bのオンボード音源や数千円クラスの音源、SoundBlaster辺りを使っているなら、是非この辺の製品も一度使ってみて欲しい。音楽好き ならその違いは確実に体感できるはずだ。


M-AUDIO DELTA 66

 最初の方で紹介しているDMX 6fire 24/96や、DSP24Valueと同様、ICEnsemble製ENVY24を搭載する、6in6out対応オーディオカード。ボード上のブラケット には2ch分のコネクタがあり、残りは専用ケーブルで接続されるブレイクアウトボックスを使うことになる。
 M-AUDIOのDELTAシリーズの美点はドライバサポートであろう。Win/Mac両対応と言うだけでなく、Windows95世代にも対応出来る よう、VXDドライバのリリースもされている点は大いに評価したい。
 音質の方はこれまで使ってきたENVY24搭載製品とよく似ているが、低域方向のゆとりはこれまでに聴いてきた、ハイクラスサウンドカードに分類される他のENVY24搭載製品より少々上だ。ただ、低域方向が良くなる分、高域方向の少々のきつさが気になってしまう部分もある。なお、PC-98シリーズでこの製品を使う場合には少々注意が必要だ。 この製品をCHANPON ZERO3上に積んでみたところ、実験機のPC-9821Ra333ではネットワーク周りをはじめ、Windowsの挙動が怪しくなるという現象が見られ た。DMX 6fireやDSP24Valueでは、同じ条件でも問題は発生していないのだ。本体PCIスロットに挿している限りは特に問題はなかったことは追記して おく。



YAMAHA SW1000XG

 この製品はどちらかというと「PCI接続MIDI音源モジュール」というのが正しいのだが、一応PCIサウンドカードとしても動作するのでここで取り上 げておくことにする。発売から年数が経過しているため、ドライバはWindowsXP用までリリースされているものの、添付のXG Works(SW1000XG用Mixerアプリケーションを内蔵)がWindows9x専用であるため、この製品を使いこなすことが出来るOSも Windows9xに限られる。
 WAVファイルやMP3の再生音質は、当然の事ながら価格ほどのインパクトはない。アナログ部の設計はまずまずなのか、意外とゆとりが感じられるのだ が、中域〜高域にかけての情報量は、ENVY24辺りの製品と比べても劣ってしまう。この辺はこの製品の古さも影響しているのかもしれないが。また、 YAMAHA製品はピュアオーディオに至るまで、バランスは良いものの面白味に欠ける音質が特徴なのだが、この製品でもそれは同様であるようだ。
 ただ、MIDI音源としてみると魅力のある製品だ。この製品のMIDI部はMU100相当といわれているのだが、手持ちのMU100Bと比較してみる と、こちらの方がまとまりが良い。MU100Bは妙に特徴的で有る意味安っぽさを感じる音色傾向なのだが、SW1000XGの方は個性には欠けるものの、 実に無難な鳴り方をしてくれる。もっとも私個人の好みでは、特徴的な音を求めるならKORG、無難な鳴り方を求めるならRolandではあるのだが。
 MIDI重視で、MP3やWAVも再生する、というWindows9xPCには良い選択ではないだろうか。ソフトウェアMIDIしか使ったことがないと いうPCユーザーに一度使ってみて貰いたい製品だ。



ESI WaveTerminal 192M

 今まで何度か取り上げたENVY24HT採用製品だが、この製品はいわゆるオーディオカードに属する製品であり、これまでのハイクラスサウンドカードとは明らかにクラスが異なる。高級製品のお約束として、私が所有している製品ではなく、Kameさんからの借用品であることは予め断っておく。
 さて、音質は同じくENVY24HTを搭載するAudiotrak Prodigy 192と比較すると、低域方向の量感が明らかに増し、また中高域方向に感じられた安っぽさも感じられなくなっているなど、明らかに向上していることがわかる。EGOSYS製品にしては、あまり馬力で押してくるタイプの音質ではないというのも面白いところだ。
 ただ、それでは文句なしに素晴らしいのかと言えばそうでもない。私が試聴用のリファレンスとして使っているemagic emi2|6と比較した場合、ヴォーカルやギターなどの力感がやや乏しいのが気になる。一般的なソースではそれほど目立たないのだが、Gipsy Kingsの「Inspiration」(スパニッシュギター中心のインストゥルメンタル)などを聴くと、正直言ってやや興ざめしてしまう。また、やや響きや余韻という部分も感じ取りにくい。
 一方、KOTOKOの「UZU-MAKI」辺りの打ち込み系では文句なしに格好良い音で鳴ってくれるなど、案外キャラクタに偏りがあるといえる。
 ただ、いわゆる「オーディオカード」でありながら、PC-98のWindows 98SE上で特に問題なく動作するという点の意義は大きいだろう。もっとも、EGOSYSのE-WDMドライバである以上、CHANPON ZERO上に装着した場合には正常動作不能であることは要注意だ。



ESI WaveTerminal U2A

 USB1.1接続のエントリークラスオーディオI/F。PC-9800シリーズではPCIスロットにUSB I/Fを増設すれば特に何の障害もなく動作する。ESIの純正ドライバも存在するが、Windows付属のUSBオーディオデバイスドライバで動作する辺りも手軽で良い。オーディオI/Fというだけで導入への敷居が高いように感じることがあるかもしれないが、OS標準のドライバで利用する限りDirect SoundやDVD再生ソフトからの出力も特に問題ない。
 音質の方は低音の力感に優れるが、空間が平面的でレンジ感もあまりない。オーディオI/Fとしては音質面で他の同クラスのライバル製品(emi2|6等)に対してやや見劣りする。もちろんサウンドカードよりは質感などは上だが。ただ、コンパクトで手軽に導入でき、一定水準の音質を持っているという辺りは評価できる。





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